自動車用バッテリーの基礎知識



液面点検
バッテリーの側面から点検します。液面が「UPPER LEVEL」(最高液面線)と「LOWER LEVEL」(最低液面線)間の半分以下に低下している場合は、 ただちに「UPPER LEVEL」まで精製水(市販のバッテリー補充液など)を補水してください。補水後は、液口栓をしっかり締めてください。
※液面点検は日常点検として法律(道路運送車両法)で義務付けられています。少なくとも1ヶ月に1回は点検して下さい。

比重点検
1.240(20℃)以下を目安として補充電してください。
接続点検
端子が緩んだり腐食すると抵抗が増え、始動困難や端子のスパークなどで端子が損傷することがありますので、端子のゆるみがないことを確認してください。また、端子部に腐食が確認された場合は清掃してください。
外観点検
本体にヒビ、割れ、欠け、液もれ、及びキャップ(液口栓)の排気孔にゴミなどの付着物がないことを確認してください。上面の汚れ・水分はリークにつながりますので、湿らせた布で拭き取ってください。乾いた布で拭くと、静電気で電池を破裂させることがあります。
取付点検
がたつきがないよう取付金具でしっかりと固定してください。

工具によるショート防止のため下記の手順で行ってください。順序を間違うとバッテリー爆発やけがの原因となります。
取り外し時
(-)端子の取り外し→(+)端子の取り外し→取り付け金具の取り外し

取り付け時
取付金具の取り付け→(+)端子の取り付け→(-)端子の取り付け


- 正しい接続の仕方 : (1)~(4)の手順で行う
- 正しい取り外し方 : (1)~(4)の手順で取り外す
正常車のバッテリーがトラブル車のバッテリーより小さい場合は、正常車のバッテリー内部(接線部)が損傷することがありますので必ず次のことを守ってください。
バッテリー容量(サイズ):正常車のバッテリー≧トラブル車のバッテリー
放電反応により(+)(-)極板と硫酸分が反応し比重が低下します。また、放電に伴って水が発生するため電解液比重は低下します。
次のような化学反応がバッテリー内部で行われています。

同じバッテリーでも使用条件、使用環境、メンテナンス(日常点検)、車両側の充電装置、取り付け場所などの要因によって寿命はばらつきがでてきます。乗用車では電池の交換の目安は約3年としています。 それ以上使用すると、液減りが加速し内部の部位の劣化が進みますので、早めの交換をおすすめします。
バッテリーを購入されたお店にご相談ください。
エンジンを停止しキーを抜いた状態で電気負荷をすべてOFFにしても流れる放電電流(時計、電子回路のバックアップなど)のことです。車によって異なりますが数十mAの電流が流れます。
数十mAの放電ですので短時間であればあまり影響はありません。しかし、長期間になると深い放電となりサルフェーション※を起こします。 その結果、充電回復が困難になったり容量が低下し短寿命となります。
例:25mAで30日間放置しますと18Ahの放電となり、40B19Rの容量の2/3放電したことになります。したがって、車を長期間放置するときは必ず(-)端子を外してください。
※サルフェーションとは?

放電時に生成される硫酸鉛(PbSO4)は、経年と共に結晶化して化学変化しない状態(不活性)になります。これを「サルフェーション」と言います。サルフェーションが進むと電池容量が低下し、さらに結晶が負極板表面に付着して電極板と電解液の接触面積が減り、充電スピードが鈍化します。充電率が低い状態が続くとサルフェーションが進みやすくなります。